【ジム・ステンゲル氏】経営視点なきCMO、顧客起点なきCEOの終焉を受けて

2023年1月18日(水)にセールスフォース・ジャパンとNewsPicks Brand Designが共同開催したオンラインイベントに参加しました。

イベントにはプロクター&ギャンブル(P&G)のグローバル・マーケティング・オフィサー(GMO)を務めたマーケティング界の巨匠、ジム・ステンゲル氏が登壇。この記事では、ステンゲル氏の主張をまとめました。

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ジム・ステンゲル氏のプロフィール

P&Gの元グローバル・マーケティング責任者。同社に25年間在籍し、パンパースやオレイなどのブランドを「消費者がボス」の視点から再生させ、ブランド王国P&Gの確固たる地位を築く。2008年に退社後は「ジム・ステンゲル・カンパニー」を設立。コンサルティングを行なう傍ら、UCLAアンダーソン経営大学院の非常勤教授として、マネジメントを教えている。
会社は何度でも甦る ビジネス・エコシステムを循環させた大企業たち』より

オンラインイベントの内容

今回のイベントでは、以下4つの質問にステンゲル氏が答える形で進行しました。

今はどういう時代?

昔の時代であれば、世界に自分のブランドをどう思ってほしいのか?ということを考えてたくさん予算を投資すれば済んだが、この方程式はもう古い。

今の時代は顧客にどう思ってほしいのかだけではなく、社員がどう自社を語るのかも重要になってきている。

2020年以前現在
WHO顧客重視マイノリティも含めた
顧客+社員
WHY事業領域に沿ったパーパス事業領域+社会+環境
WHAT商品、サービスがもたらすベネフィット、
差別化ポイント(POD)
課題解決意識とコンピテンシーの向上
HOWパーソナリティ&アイデンティティさらに共感力、人間らしさ、
「アクティビズム」をプラス
  • 顧客だけではなく社員一人一人がブランドを理解することが大事
  • パーパスを制定する際に、環境と社会的なインパクトを考えないとダメ
  • 商品、サービスについても差別化ポイントではなく、問題解決をいかに提供するかに代わってきている
  • 企業はお客様が大事にしていることや気にしていることについて共感してほしい
  • ブランドの定義とは携わる人々の意図とふるまいの集合体

2023年のCEOとCMOに求められる4つのC

  1. Customer(顧客)
    より聞くということに注力し、顧客にどのようなインパクトを与えられるかを考える
  2. Culture(文化)
    大衆文化を理解する
  3. Company(会社)
    尊敬される企業を作る
  4. Creativity(クリエイティビティ)
    クリエイティビティを民主化する

自分の軸を持つために、どういったマネジメント・イデオロギーが必要?

好奇心俊敏性、この2つが重要。

好奇心の育成方法

  • 「本質的な問い」を行う(絶えず”なぜ”を追求する)
  • 話すより、傾聴する
  • 新たなネットワーク、自分とは異なる意見を持つ人からインサイトを引き出す
  • 何を学びたいかじっくり考える(意図的に考える)
  • 内省し思考する時間を確保する(振り返りの時間を必ず設ける、1週間に1回でも良い)

俊敏性の育成方法

  • 「常にWHYを問う」習慣が重要
  • ベストプラクティスから学ぶ(別の成功企業から学ぶ)
  • リーダーシップ・ビヘイビア(態度、行動)をアップデートする
  • 進歩を評価して称える

CEO/CMOに必要なマインドセットとは?

最高責任者の要素が90%、マーケティングの要素は10%

2023年のCEOとCMOに求められる意識改革

  • 積極的に共感する(誰かの立場になって考える)
  • オールスター・チームを作る
  • 自信を与える
  • クリエイティブ・マインドセットを持つ
  • 基準を上げ続ける
  • インクルーシブな意思決定をする(関わるべき人がすべて関わっているか?)

基準について、今はリアルタイムデータを監視できるようになったため、そのデータに基づいて基準やゴールを決定することが必要。

顧客中心の文化を達成したいのであれば、データベース中心の企業でなければならない。「データ=顧客」、この認識がとても重要。

もし、今CMOだったら?

  • 好奇心を持ち、傾聴する
  • 会社のゴール → マーケティングのゴール
  • インスピレーションに溢れ、かつ実行可能なパーパス
  • 最高の人財!採用、定着、能力開発
  • クリエイティブをコアバリューに
  • CEOとCMOがビジョンを共有

CEOや役員たちに、たくさん対話をして自分のやっていること信じてもらう。そういうことを大切にしたい。

オンラインイベントを受けた感想

まず初めに、個人が持つ発信力がどんどん強くなってきたことにより、マーケティングやブランド構築の考え方も変わってきているのだと改めて感じました。社員一人一人がブランドを担っているという意識を持たせることが本当に重要になっていますね。

また、好奇心と俊敏性については育成ができるとのことで、すぐに実践していきたいなと思っております。

P.S.

同時翻訳のオンラインイベントだったのですが、同時翻訳する人めっちゃすげぇと思いながら聞いてました。

西本 和樹
COO(最高執行責任者) / Web director
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1992年生まれ。 営業職からIT業界へ転職。仮想環境構築が得意です。営業で培った対人スキルとIT知識を活かし、 お客様の「限られた環境」を踏まえ、最大限の効果を生みだせるよう制作をサポートいたします。

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