DaVinci Resolveは、ビデオ編集、カラーグレーディング、ビデオエフェクト、音声編集などの機能を備えた、高度なプロフェッショナル向けのビデオ編集ソフトウェアです。Blackmagic Designによって開発されており、Windows、macOS、およびLinux用の無料版と、有料版が提供されています。DaVinci Resolveは、テレビや映画、広告などの業界でよく使用されています。
DaVinci Resolveの特徴
カラーグレーディング機能
業界標準となっているカラーグレーディング機能を備えています。映像の色合いを微調整するためのツールや、LUT（ルックアップテーブル）を使用したカラーマッチング機能など、多彩な機能があります。そのため映画やテレビ番組制作など、高品質な映像制作に欠かせないソフトウェアとして広く認知されています
ビデオ編集機能
トリム機能やエフェクト、トランジション機能などが充実しており、シームレスな編集が可能です。また様々なビデオエフェクトが含まれており、例えば、映像の安定化、モーショングラフィックス、3Dテキスト、照明効果、フィルターなどがあります。
音声編集機能
音声トラックを編集するためのツールやエフェクト、オーディオミキシングツールが含まれています。またFairlightと呼ばれる高度な音声編集スイートも備えており、業界標準のオーディオ編集を実現しています。
無料版があり、広く利用されている
無料版が提供されているため、映像制作に携わっている人であれば、比較的手軽に利用することができます。また、無料版でも業界標準のカラーグレーディング機能を備えているため、幅広い層に利用されています。
無料でここまでできるなんて‥。
DaVinci Resolveの使用例と事例
さまざまな分野で活用するDaVinci Resolveですが、代表的な活用現場と事例をいくつか紹介します。
テレビドラマ・映画
アメリカのテレビドラマ『The Walking Dead』や、映画『アバター』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『ブラック・パンサー』などで使用されています。カラーグレーディング機能が優れており、映像制作に欠かせないソフトウェアとして広く認知されています。
CM広告制作
日本のCM制作会社・株式会社タッチが、DaVinci Resolveを使用していることが知られています。DaVinci Resolveを使うことで、短時間での制作が求められる中、高品質なビデオ編集やカラーグレーディングを行うことができます。
YouTube動画制作
YouTuberやクリエイターが自らの動画制作に使うことで、高品質なビデオ編集やカラーグレーディングを行うことができます。例えば、日本のYouTuberも、DaVinci Resolveを使用して動画制作を行っていることが知られています。
音楽PV制作
日本のアーティスト・DAOKOのPV「Cinderella step」や、米国のアーティスト・キャリー・アンダーウッドのPV「Something in the Water」などが、DaVinci Resolveで制作されたとされています。音楽PVは、ビジュアルの面での表現が重要なため、カラーグレーディング機能をはじめとする、高度な機能が必要とされます。
Netflixなどのストリーミング配信サービスでも使用されており、高品質な映像作品の制作に欠かせない。
DaVinci Resolveの比較
Adobe Premiere Proとの比較
両方とも高度なビデオ編集ソフトウェアであり、業界標準となっています。ただし、DaVinci Resolveは、カラーグレーディング機能に特化しており、無料版も提供されていることが特徴です。一方、Adobe Premiere Proは、After EffectsやPhotoshopなどのAdobe Creative Cloudアプリケーションとの連携が可能で、編集作業をスムーズに行うことができます。
Final Cut Proとの比較
両方とも高度なビデオ編集ソフトウェアであり、MacOSに対応しています。Final Cut Proは、Appleが開発しており、編集作業がスムーズで、シームレスな動作が特徴です。DaVinci Resolveは、カラーグレーディングに特化しており、多機能なカラーグレーディング機能が充実しています。
DaVinci Resolveがカラーグレーディングに特化している理由は‥?
豊富なカラーグレーディング機能
映像の色調整に必要なカラーカーブ、カラーホイール、LUTなどの機能が充実しています。また、ダイナミックレンジを拡張するHDRカラーグレーディング機能も備えています。映像制作におけるカラーグレーディングのニーズに応えることができます。
リアルタイムでのカラーグレーディング
カラーグレーディングを映像をプレビューしながら行うことができるため、作業効率を向上させることができます。GPUを活用し高速な処理を行うことができるため、高解像度の映像でもリアルタイムでのカラーグレーディングも可能のため高品質な映像制作を実現することができます。
フレキシブルなノードベースの編集機能
ノードベースの編集機能を使うことで、映像に対して細かい調整を加えることができます。また編集中にノードを追加したり、並び順を変更することもできます。
チュートリアルやサポートが豊富なのも魅力です！
iPadでも利用可能
DaVinci Resolveのフルバージョンに比べて機能が限定的ではありますが、iPadならではの特徴もいくつかあります。
- リアルタイムでの編集
手軽にビデオ編集が行えるため、スマートフォンやタブレットで簡単なビデオ編集を行いたい場合に最適です。 - タッチスクリーンでの操作性
指でのピンチイン・アウトやスワイプ、画面を拡大・縮小など直感的な操作が魅力です。Apple Pencilの使用のできるためよりスムーズに編集作業を行うことができます。 - 手軽で簡単に移動できる
軽量で持ち運びが簡単なため、場所を選ばずにビデオ編集が行えます。 - 外部のストレージに保存できる
編集した映像は、iPad内でだけでなく、外部のストレージにも保存することができます。そのため編集した映像をバックアップしたり、PCで編集作業を継続することができます。
DaVinci Resolve for iPadを上手に活用すれば編集作業の効率アップも見込めるかも‥
まとめ
DaVinci Resolveは、カラーグレーディングに特化している高機能なソフトウェアであり、映画やテレビドラマ、CM、MVなど多くの映像制作に使われています。豊富な機能と高速な処理により、効率的な映像制作を実現することができ、カラーグレーディング作業に力を入れる映像制作現場には必須のソフトウェアであると言えます。
1992年生まれ。CM、テレビ番組の企画・演出・制作を経験し、撮影・編集も手がける映像作家・ビデオグラファー。モーショングラフィックスを中心に、ブランディングや、プロモーションをサポートいたします。