VFXとは？映像制作に欠かせない特殊効果技術の基礎知識

映画やテレビドラマなど、映像制作に欠かせない技術として知られる「VFX（ビジュアルエフェクト）」そのVFXとは、どのような技術で、どのように映像制作に活用されるのでしょうか？

はじめに

VFXとは、映像に合成やエフェクトを加えることで、現実にはあり得ない映像を作り出す技術です。例えば、空飛ぶドラゴンや、空から降り注ぐ雨、巨大な爆発など、映像で表現するには、VFXが欠かせません。

VFXの種類

VFXには、さまざまな種類があります。主な種類を以下に紹介します。

• CG
  CGとは、「コンピュータグラフィックス」の略で、コンピュータ上で作成された画像や映像のことを指します。VFXでのCGは、建物や都市、宇宙船など、現実では存在しないものを作り出すために使われます。
• 合成
  複数の映像を組み合わせる技術です。VFXでは、CGで作成した映像を実写の映像に合成することで、リアルな映像を作り出します。また、合成では、クロマキー合成やマスク合成、ライト合成などがあります。
• モーションキャプチャー
  人物や動物などの動きを、センサーなどで取り込んで、コンピュータ上に3Dモデルとして再現する技術です。VFXでは、リアルな人物や動物の動きを、CGキャラクターに反映させるために使われます。
• パーティクル
  火花や煙、雨、雪などの微細な粒子をCGで表現する技術です。爆発や噴火、雪の降り注ぐシーンなどに使われます。
• マットペイント
  CGで描かれた映像を、実写の映像に合成するために使われる技術です。例えば、CGで描かれた背景に、実写の人物を合成する場合に使用されます。

以上が、VFXの主な種類です。

VFXのメリット

高品質な映像表現が可能

CGや合成、モーションキャプチャーなどのVFX技術を使用することで、実写では表現しづらいようなリアルな映像表現を作り出すことができます。

制作の自由度が高い

例えば、CGで作成した背景を使用することで、撮影地を変えずに異なる世界観を表現することができます。また、CGで作成したキャラクターを使用することで、実写では表現できないようなファンタジーな世界観を表現することができます。

撮影の制限がない

CGで作成した背景を使用することで、実際の撮影地を使用する必要がなくなります。またCGで作成したキャラクターを使用することで、撮影に必要な時間やコストを節約することができます。

リテイクがしやすい

CGで作成したキャラクターの動きを調整することで、リアルな動きを表現することができます。また、CGで作成した背景を使用することで、映像の中で移動することができるカメラワークを調整することができます。

以上が、VFXのメリットです。VFXを使用することで、高品質な映像表現を作り出すことができ、制作の自由度が高くなります。また、撮影の制限がなくなり、リテイクがしやすくなるため、効率的な映像制作が可能となります。

VFXの活躍現場

VFXは、映画やテレビドラマ、CMなどの映像制作に欠かせない技術であり、現在では多くの作品で使用されています。以下に、VFXが活躍する現場と使用例をいくつか紹介します。

映画

映画は、VFXの代表的な活躍する現場の1つです。特に、SF映画やファンタジー映画では、CGや合成、パーティクルなどの技術が駆使され、リアルな映像を作り出すことができます。

テレビドラマ

テレビドラマでも、VFXが使用されることがあります。特に、SFドラマやファンタジードラマでは、CGや合成などの技術が活用され、リアルな映像表現が可能になります。

CM

CMでも、VFXが活用されることがあります。例えば、自動車メーカーのCMでは、CGで作成した車両を実写の映像に合成することで、美しい映像表現を作り出すことができます。また、食品メーカーのCMでは、パーティクル技術を使って食材の表現を行うことで、食欲をそそる映像表現を作り出すことができます。

テーマパーク

テーマパークでも、VFXが活用されることがあります。例えば、アトラクションの映像表現や、ショーの演出などにVFXが使用されます。また、テーマパークの3D映像アトラクションでは、CGやレンダリング、モーションキャプチャー技術が使われ、圧倒的な臨場感を演出することができます。

以上が、VFXが活躍する現場と使用例です。VFXは、映画やテレビドラマ、CM、テーマパークなど、様々な映像制作の現場で活用され、リアルな映像表現を作り出すことができます。

VFXは映画制作に欠かせない技術であり、多くの映画で使用されています。以下に、VFXを使用した映画の例をいくつか挙げます。

• アバター
  『アバター』は、2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督のSF映画です。本作では、CGで作成された青い肌の宇宙人ナヴィ族が登場し、その表情や動きなどがリアルに再現されています。また、本作では、モーションキャプチャー技術が駆使され、俳優たちの動きや表情がCGキャラクターに反映されました。
• スター・ウォーズシリーズ
  『スター・ウォーズ』シリーズは、1977年に公開されたジョージ・ルーカス監督のSF映画です。本作では、CGで作成された宇宙船やロボットなどが登場し、リアルな映像表現がなされました。また、シリーズ最新作の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、合成技術が駆使され、CGキャラクターと実写の俳優たちが共演しました。
• マトリックスシリーズ
  『マトリックス』シリーズは、1999年に公開されたウォシャウスキー兄弟監督のSFアクション映画です。本作では、バレットタイムと呼ばれるスローモーション撮影が使用され、リアルなアクションシーンが演出されました。また、CGで作成されたキャラクターや背景なども多数登場し、本作の世界観を作り上げています。
• ジュラシック・パークシリーズ
  『ジュラシック・パーク』シリーズは、1993年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督のSF映画です。本作では、CGで作成された恐竜が登場し、リアルな恐竜の動きや表情が再現されました。また、シリーズ最新作の『ジュラシック・ワールド』では、パーティクル技術が使われ、火山噴火のシーンなどが演出されました。
• インセプション
  『インセプション』は、2010年に公開されたクリストファー・ノーラン監督のSFアクション映画です。本作では、現実と夢の世界が入り混じる独特の映像表現がなされており、CGを駆使したVFXが使用されています。また、空中で回転しながら戦うシーンなども、CGによって作り出されました。

以上が、VFXを使用した映画と使用事例の一部です。これらの作品は、CGや合成、モーションキャプチャーなどのVFX技術が駆使され、リアルな映像表現が作り出されています。

まとめ

VFXは、映画やテレビドラマなどの映像制作に欠かせない技術であり、CGや合成、モーションキャプチャーなどの技術が駆使され、リアルな映像を作り出すことができます。VFX業界では、デザイナーやアーティスト、技術者など、さまざまな職種があり、クリエイティブな発想力やプロジェクト管理能力、チームワークが求められます。

杉谷 将太

CBO（最高ブランド責任者） / Video director

1992年生まれ。CM、テレビ番組の企画・演出・制作を経験し、撮影・編集も手がける映像作家・ビデオグラファー。モーショングラフィックスを中心に、ブランディングや、プロモーションをサポートいたします。